2015年1月16日

SimVibe構築ガイド

レーシングシミュレーターは、走行中に様々なテレメトリデータをリアルタイムで出力してる。
そのテレメトリを解析して車体の振動情報に変換し、コックピットを揺らしてやれば、トラックのギャップやうねりを体全体で感じ取ることができるよね!
視覚(ディスプレイ)と腕(ステアリング)と耳(サウンド)だけだったシムからのフィードバック、それに全身へのフィードバックを追加しよう!
このへんのセールストークは、mochaさんに任せた!

っつーことで、今回はSimXperience SimVibeというソフトウェアと、スピーカーに似ているけど音の代わりに振動するトランスデューサー(ベースシェーカーとか振動ユニットとか振動体とか呼ばれてる)を用いて、そんなかんじのシムデバイスを構築します。


公式のSimVibe Setup Guide (pdf)に構築方法が詳しくかいてあるけど、補足しときますね。
iRacing向けの構築方法は、Forumの [Guide] Setting up a tactile transducer (Bass Shaker)スレにもあるよ。


設計
SimVibeには、2つのモードがある。

【Chassis Mode】
コックピットの4隅に設置して、コクピ全体を揺らす。

【Localized Feedback Mode】
シートとペダルとシフターのうち任意の1~3箇所に設置して、個別に揺らす。

両モードの混在もできるけど、SimVibe的にそれらは別系統なので、それぞれにオーディオデバイスが必要になってしまうよ。7.1chオーディオひとつで7chは賄えない。

いろんな組み合わせがあるけど、実質的な選択肢は
プランA: 4ch Chassisモードで4振動(一体型コックピット向け)
プランB: 2ch Localizedモードでシート+ペダル
プランC: 1ch Localizedモードでシートのみ

シートとペダルが一体のコクピを組んでる場合、Localizedで3つ揺らすくらいなら、もう1個振動体追加するだけでいけるChassisモードのほうがいい。
じゃあ7振動が最強じゃん?と思ったら、SimVibe開発者が「ChassisModeで全体揺らしてるなら、それ以上要らなくね?」って言ってた。実際そう思う。


ソフトウェア
SimXperience SimVibe
$89シェアウェア。これがないと始まらない。iRacingやrFactorなど、いろんなシムに対応。
テレメトリを音声に変換し、指定したオーディオデバイスに音声として出力するまでやってくれる。
似たソフトにフリーのX-simっていうのもあって、ぼくも昔使ってたけど、SimVibeのほうがフィーリングが段違いに良いのでSimVibeのほうを強く推奨する。


オーディオデバイス
システム音声(ゲーム音声)用のサウンドとは別に、SimVibe専用の5.1ch以上のサラウンドサウンドデバイスが必要。
みんなのデスクトップPCには、だいたい7.1chくらいのオンボードサウンドが載ってるとおもうので、それをSimVibe出力専用にすればよいよ。
(オンボサウンドは音質があまりよくないものも多いけど、振動出力は低域メインだし、多少のノイズは実車のノイズのようなものなので必要十分だと思う。)
システム音やゲーム音声用には、別途サウンドカードやUSB外付けオーディオやUSBヘッドセットを用意しとこう。だいたいみんな持ってるよね?

2chオーディオをSimVibe用にしてシートとペダルを揺らしたい?
ちょっとコツがあって、SimVibeの仕様で出力チャンネルは固定されてるので、フロントLRにはシートとシフター振動が割り当てられてる。
なので、"SimVibe Shifter"のタブにペダルで揺らしたいEffectを追加すれば、2chオーディオでシート+ペダルを振動できるよ。


トランスデューサー(振動ユニット)
国内での入手性や価格を考えると、上海問屋 DN-82305(50W4Ω)がいい。ぼくは使ってないので性能や耐久性など不明。

ButtKicker Mini LFE は250Wで最強だけど高いし、たぶん250Wも入力したら家全体が震える。

ぼくが使ってるのは、TT25-8 PUCK Tactile Transducer Mini Bass Shaker(15W8Ω)。個人輸入で、4個パックで$44くらい。ぼくの購入当時は選択肢が少なかった。(そして円高だった。)
こいつを取り付けるとき形状が特殊でちょっとマウントしにくい。
平らな場所にボルト止めができない形状なので、SUSコックピットに付けるために、板に丸穴をあけたものを4つ製作して、取り付け用台座にしてある。
15Wといえど結構揺れる。あなどれない。
(けどドライバー含めて100kg近いSUSコクピを盛大に揺らすにはパワー足りないかなぁ。)
追記:ということで、上海問屋のに買い換えました


アンプ
普通のオーディオアンプでいいんだけど、SimVibe用には2chの中華アンプを複数台用意するのがいい。

ぼくが使用してるのは、
S.M.S.L SA-50(50W)6,500円くらいを2台(4ch分)

ほかには、
FX-AUDIO FX-502A(50W)4,500円くらい
Lepai LP-V3(25W)3,000円くらい
みたいなのもいいかも。

正直いって50Wアンプは大きすぎた。25Wでも家族に迷惑なほど十二分に揺れる。

ローコストで抑えたいなら、ONKYO TX-SA505のような中古AVアンプもあり。ぼくも使ってた。100W7chまでいけるものが、ヤフオクで4~5kくらいで買えるはず。ただし重くて嵩張るのでぼくは中華アンプに買い換えてしまった。

アンプを選ぶときはインピーダンスに注意してね。
アンプの出力インピーダンス≦スピーカーの入力インピーダンスならOK。オーディオでいう俗に言う「ロー出しハイ受け」を守ろう。


ケーブル類
スピーカーケーブルやコネクタを適当に調達。
PC~アンプ間はステレオミニジャック→RCA×2を2本用意。ハードオフのジャンク箱に100円で入ってるはず。
スピーカーケーブルは、適当に切り売りしてるのを買ってきてもいいし、みんなの実家あたりに転がってるミニコンポ()からちょんぎってきてもいい。


騒音対策
コクピが家とは別のガレージにあるならまだしも、家は振動をよく伝えます。無対策だと、まず間違いなく同居人や隣人と戦争が始まります。
なので、いろんな振動対策をすべき。
うちの場合は
・洗濯機の防振ゴム
・コルクマット
・耐震ゲル(地震対策のやつ)
・フェルト
・PVC発泡ウレタン
など思いつくかぎりの防振素材をミルフィーユ状に重ねたものを4セットつくってSUSをフローティングし、振動が床に伝わらないようにしてる。
たくさん重ねることに意味があるかは知らんけど、振動対策にはいろんな固有振動数をもった素材を組み合わせたほうが効果が高いしね!たぶん!

追記:ゴム防振には限界を感じて、ディスクふにゃふにゃシステムを構築しました。

接続図

[PC]→(システム音)→[USB/PCIなどのオーディオデバイス]→あなたの耳

(SimVibe)

5.1chオンボサウンド
↓ミニステレオtoRCA変換ケーブル
[アンプ]
↓スピーカーケーブル
[振動ユニット]

あなたの身体


まとめ
とりあえずやってみたいなら…
・SimVibeソフトウェア
・上海のトランスデューサを2個
・25Wアンプ1個
こんくらいで2振動から始めてみるといいよ。

そのうちどうせグレードアップしたくなるに決まってるので、
・トランスデューサ2個追加購入
・25Wアンプをフロント側に使用して、リア側用に25or50Wアンプを追加したChassisモード
これで完璧だ!
そもそもSimVibeはChasisモード前提のような気がする。


SUSなどのコックピット所有なら、最初から4振動Chassisモードにするべきだ!!

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