2016年8月25日

Hello Gravel - Richard Burns Rally

Red Bull - 2016.4.29 | 『Richard Burns Rally』:今も続く人気の秘密 | Games
へー、すげーなー。
シムレーサーの間では事あるごとに話題になる、ラリーシミュレーターの最高峰"RBR"を、ついに導入してみようと思い立った。2004年のゲームだってさ。(Intel CPUでいうとNetburst時代!)しかし今だにコレを越えるラリーシムは出てないらしく、RBR以降に出た他のラリーシムっぽいやつは全部所詮"ゲーム"らしい。手厳しいな!
3画面3DVision環境のWindows10にインストールしてみよう。そのメモ。(1画面でも2Dでもだいたい共通。)

■ゲームインストールメディアを入手する
ebayでPC版RBRを探す。ディスクが白だったり青だったり赤だったりする。どれでもいいらしい。相場は送料いれて25~35英ポンドくらいでした。

■RBR本体のインストール
まずはインストール。インストールメディアDVDをPCに入れてautorunするメニューからインストール選んでも進まなかったので、インストールディスク内のsetup.exeを直接実行でいけた。
デフォルトの Program Files (x86) あたりに入れるとうまく動かないという情報が、世界中のRBR情報サイトどこを見ても書いてあるので、"C:\Games\Richard Burns Rally" にしてみた。

■開発元の公式パッチをあてる
v1.01 Patch
v1.02 Patch
を順番にあてる。(v1.02だけ入れればいーんじゃないの?と思って、ためしに2パターン作ってファイル比較してみたら順番にあてたほうにはfilter.rbzが入ってた。それ以外のファイルは同一。なので順番にあてるほうを採用。)

■バックアップとっとく
このバニラな状態で、インストール先フォルダまるごとバックアップしておくと、いろいろ弄って不具合でたときに戻すのが楽になる。
ここからが大変。インストールだけじゃ終わらない。古いゲームを遊ぶにはいろいろ手間がかかる。がんばる。


■設定を弄るときのTips
(1) iniファイルについて
各種設定で直接iniファイルを弄る場合、iniファイルが読み取り専用になってる場合が多いので、プロパティから読み取り専用チェックボックスを外してから編集する。編集後、読み取り専用は解除したまま使ってOK。
(2) rbzファイルについて
RBRインストールフォルダ内の.rbzファイルの実態はzipファイル。拡張子をzipにして展開することができる。そして、展開してフォルダになったままでもRBRが読み込むので再圧縮不要。rbzよりフォルダが優先して読み込まれるけど、わかりにくいのでrbzは削除した。元に戻したいときはバックアップから拾えばいいしね。
(3) datファイルについて
audio.datも圧縮ファイルみたいなもの。とはいってもzipじゃないので、専用のツール DATTool を使う。datをexeにD&Dすれば展開する。展開した"audio"フォルダ内の階層深くにある"Audio"フォルダを、RBRインストールフォルダ直下に置けば展開した状態のまま読み込んでくれる。


RBR FixUp pluginを入れる
RBRが対応する解像度リストが古くさいので、ワイドスクリーン解像度に対応させるためこれを入れる。他にもいろいろ不具合を解消してくれるらしい。
7zを展開してPluginsフォルダ内に置く。RBRをいったん起動すると FixUp.ini が生成される。特に編集不要。
adaptiveFFB=1 とするとFFBをよくするらしいが、描画がカクカクになったので0のまま。

■RBRの RichardBurnsRally.ini を編集する
うちは3画面環境。Fixupを入れたので解像度を1920x1080など手入力して反映させることができる。ちなみに3画面の場合はサイドディスプレイを自分側に折り曲げず一直線に配置し、1枚の大きなディスプレイとして表示させるのが自然。ベゼル補正後の数値を入れた。
弄った項目は次のとおり。
Fullscreen = false ※ここでfalseにし、FixUp.iniでfullscreenWindow=1にしとくとAlt+Tab切り替えしてブラックアウトする不具合が解消される。
RunIntro = false
RunStartup = false
XRes = 6020
YRes = 1080

■RBRの audio.ini を編集する
FixUp pluginのサポートスレッドにあった記述を反映させとく。サウンドクオリティが著しく良くなるらしい。よくわからんけど同時発音数の設定かな?
[OPTIONS::SOUNDS]
NumberChannels=64

■ペダルのデッドゾーン設定
デッドゾーン設定は市販ペダルには不要な作業かも。
BU0836Aでアナログ入力しているペダルのデッドゾーンと全開位置の設定は、DIViewでcalibrationする必要があった。ブレーキが圧力センサだと踏んでなくてもいくらか入力あるのよね。そのままだと常にブレーキ効いていて前に進めない。
ちなみに、RBRを起動して最初にするレーススタート前のカウントダウンのあたりで、各ペダルをそれぞれ一度軽く踏み込まないと全ペダル全開のままな仕様らしい。忘れるとブレーキかかってて進めない。これはそういう儀式だと思うことにする。
ちなみにDIViewを設定しても、iRacingはDIView関係なく生データを参照してるのでiRは何も変更しなくてもOK。

■RBRのin-game設定
Controls > Controller Setup から入力デバイスを設定。Accelerate and Brake は不要なのでDeleteキー押して解除。
Controls > Force Feedback の Autocenter Wheel を Off
Controls > Input Device > Steering > Axis > Filter Settings の Maximum Fade と Saturation Speed をゼロに。
Gears > Default Gears を Manual に。Gear Protection / Clutch Help を Off に。
Pacenotes > Pacenotes を Off に。これでバーチャルな矢印ポップアップがでない声だけペースノートに。渋い。こうあるべき。

■RBRの input.ini を編集する
ペダルを踏むと入力が減る、というように反転してたので、該当部分をtrueにする。
[Settings]
InvertSteeringAxis = false
InvertThrottleAxis = true
InvertBrakeAxis = true
InvertCombinedAxis = false
InvertHandbrakeAxis = true
InvertClutchAxis = true

■リアルFOVのためにcamhack入れる入れない
FOV設定とドライバー目線調整が目的。Windows10では dx8vb.dll の導入は不要でした。
camhackを起動したままRBRを起動して、キーボードのホットキーでFOVとAspectRatioをぐにぐに動かして調整。カメラ位置も調整できる。
調整したあとでも、RBRを遊ぶときは事前に起動して、走るときにホットキーを押す必要あり。
でも、縦横比がカッチリ決まらないし、fovもだいたいの感覚でしか合わせられない。つーかグラフィックの横伸ばしでfov弄ってるよねこれ。さらにラリースクールでお手本走行のカメラがずれるなど、いろいろいまいち納得いかないので別の方法でFOVを設定する。camhack大嫌い!もう使わない!削除。

■リアルFOVにする
そもそもリアルFOVとは、たとえば右60度の方向にあるオブジェクトは右60度の方向に表示されるべきなんだけど、ゲーム(レースシム含む)では画面サイズの問題だったりスピード感演出のためであったりして、右40度くらいに表示されたりと、画角が広めのFOV(カメラに例えると焦点距離が短いレンズ)になっていることが多い。それを是正するとクルマのヨーを正しく感じ取れるようになるし、なにより実車に乗ってる感に近づいて運転が格段に楽しくなる!

Cars\車種名\車種名.ini の中に、FOVを数値で設定できる項目がある。
8車種それぞれiniを弄る。視点ごとに設定セクションがあって、ドライバー視点は [Cam_internal]で設定。シム脳のぼくらはドライバー視点しか使わないよね。
[Cam_internal]
FOV = 0.787396
FOVの角度はラジアンで設定する。ラジアン=度×π÷180。3画面の場合、センター1枚分だけのfovを入力する。うちのセンター画面fovはディスプレイの横幅とディスプレイと目の距離を元に三角関数で正確に計算したところ、FOV = 0.787396 (45度くらいだね)になったのでそのように設定。これで3枚で100度ほど見える。ちなみにデフォルト値の1.308997は逆算すると75度。

FOVが正しくなったところで、頭の位置(カメラ位置)も調整。デフォルトだと座高が高すぎ。Posが視点カメラのx y z座標。画面内のステアリングがハンコンのステアリングと同じ場所にくるようにした。
3D Vision 環境なので、輻輳距離をそれっぽく調整。3Dグラスなしで見て、ディスプレイ上でダッシュボードが重なるようにした。
ちなみにこのini設定値はコース上でリスタートすれば反映されるので、確認のためにはRBRを起動しなおす必要なし。
他の設定値はよくわからん。Nearは、車を描画する距離らしい。車内グラフィックがディスプレイに届く前に途切れたら調整。
Targetはカメラの方向っぽい。その座標のほうを向くっぽい。
Upは何でしょーなー。未検証。

■ステアリングロックトゥトックを正しく設定する
RBRはデフォルトの Lock to Lock が504度らしい。
これに関しては
1 ハンコンは540度が自然だろ派(わりと多数派)
2 ハンコンは540度でincar setupを最大の792度だろ派
3 ハンコンは900度派
4 気にしたことなかった派
5 6 7......
などなど、様々な意見や主張がある。そんなのステアリングギア比の問題なので各自の好みでいいんだろうけどさ、ぼくとしては乗りやすいかどうかは関係なく、ステアリングを90度きったらシム内でも正確に90度切れててほしいわけ。実車がクイックなら、クイックのままでいいわけ。WRCカーは基本的に超クイックステアリング比(市販車が15:1くらいに対して11:1くらい)なので、そのまま操りたい!ただし、実車のトレーニング用とするならば自分の車に近づけるのは、マイカーに近いmodでやるならアリかもしんない。

うちのOSWの場合はMMosでRBRを遊ぶときだけ Steering Angle Rotation を504度に設定。そういえばMMosでLtoL設定バーのツマミじゃないとこをクリックすると504でも止まるのよね。RBRを意識しているとしか考えられない。
でもiRacingなどのシムは900度にしてるため、RBRするときだけ設定変更するの、微妙にめどい。
Fanatecなら500度のプロファイル作って保存しておくと誤差すくなくていいんじゃないかと思います。他のハンコンはよくわかりません。

■ステアリングの表示角度を正しくする
車中のグラフィックのステアリングが回転する角度がハンコンと合わない。120度くらいしか回転しない。気になるでしょ。
Misc.rbzの中身のLM_Driver.iniを弄る。
[Settings]
Max Steeringwheel degrees = 252
ステアリングセンターから片側までの回転角を入れる、ということで504度の半分の252。ハンコンと回転角度が完全に同期する。
ここは弄っても見た目だけの変更。クルマの動きには関係ない。
とか書いたくせに、次項目でハンドル非表示にしちゃう。

■ステアリング非表示
Cars\車種名\車種名.iniにこんな設定がある。
[i_steeringwheel]
Switch=true
trueにするとステアリングが描画されない。リアル志向はこっちのほうがうれしいかもね。(FOVやカメラ位置の調整中は表示させてたほうがドラポジの目安になるよ。)

■デジタルダッシュの位置を調整する
ハンコンのステアリングに表示がかぶって、シフトアップインジケータがちょうど見えない。困った。
Miscのなかのiniを編集する。横ピクセル6020なのでdigidash_6020.iniを作ったら違った。digidash.iniをいじっても反映されない。うちの環境では digidash_1280.ini が読み込まれてるみたい。調べたらfixupも関係しつつそういう仕様なのね。
赤くなる ― ― こんなシフトアップインジケータが、ハンコンのステアリングの輪の中ごしに見えるとこに持ってきた。警告灯がディスプレイから見切れるが問題ない。
; Hud position
515
835
大きいほうのdashが大きすぎたので、minidash_1280.iniのほうも設定しとく。
; Hud position
563
850
両方使った結果、最初はminiを使うことにした。
ちなみに1920x1080画面のposition 0,0は、左右を切り捨てて4:3相当(1440x1080)にしたときの0,0すなわち240,0だよ。
他のビミョーな表示ズレ(ターボ過給圧メーターの右側に飛び出てる部分やkmラベルの重なりなど)もパラメーター弄って修正しといた。

■よくわからないおまじない
検索して出てきたやつ。ほんとか?
PCinputfilter.ini を削除すると入力デバイスのインプットラグが減るとか。ほんとか?変わらんぞ?
RichardBurnsRally.iniで ConstantForceMultiplier=-60 の行を削除するとFFBレスポンスが良くなるとか。ほんとか?変わらんぞ?



はー、やっと満足に動いたわ。
ちょっとModを入れとく。RichardBurnsRallyWiki-日本語版- お薦めMODから。

Numeric Pacenotes for RBR
コドライバーちゃんにはイージーレフトとかじゃなく、曲率を数字で言ってほしい!当然 decreasing version を導入。
mod同梱のbatファイルがうまく動かなかったので、audio.datをdattoolで展開してoggファイルを突っ込んだ。

■NGP
レッドブルで紹介されてたNGPというのを入れてみたいんだけど、こっからはRBRのファイル構造を理解しないとダメそう。こういうの苦手!こういう作法的なものは一時的に覚えるのに、すぐ忘れる。
どうやら車の入れ替えを伴うらしい。modはしばらくバニラで遊んでからだよなー。ということで導入は保留。


さっそくラリースクールに入校。
クソ難しいな!スカンジナビアンフリックの打率が低い。
なんとかバーンズ先生学校をオール金で卒業できた!
なんだかグラベル走るのが楽しくなってきちゃったぞ!!

3 コメント:

Kaz3 さんのコメント...

はじめまして。
SimVibeの導入の時からいつも参考にさせていただいております。
当方RBRしか遊ばないのですが、導入記事を拝見してからOSWの魅力に取り憑かれつつあります。。
現在CSW V2環境でおおむね満足しているのですが、ステアリング挙動に関し、トルクと回転速度(Dri設定)の両立に不満がありまして、解決されるのであれば是非導入したいと考えております。
お時間のある時で結構ですので、RBRでの使用感についてコメントいただけますと幸甚です。

uk さんのコメント...

こんばんわ。
トルクに関しては、グラベルではそんなに重くないです。しかしアンダー出るとすっぽ抜けます。そして、親指をステアリングに引っ掛けてると、ギャップにタイヤを引っ掛けたときに腕ごともっていかれます。ジャンピングポイントの着地は命がけです。
回転速度も、スライド中にステアリングをフリーにすると一瞬でカウンターが当たります。
ぼくはRBRはじめたばっかりなのでレビューどころではないですが、おそらくKaz3さんの不満点は解消されると思われますよ。

Kaz3 さんのコメント...

UKさん、コメントありがとうございます。
読み返したら相当曖昧な質問であったにも関わらず、私が知りたかった点について的確にお答えいただきましてありがとうございます。
今後も面白くためになる記事を楽しみにしております。

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